家族のアレルギー症状を和らげる家づくりのポイントを徹底解説。自然素材の選び方から、最新の換気システム、ホコリがたまらない間取りの工夫まで、健康で快適な住まいを実現するための情報をお届けします。

>

2025年省エネ基準義務化と「24時間換気システム」の関係

高気密住宅に必須!アレルギーを防ぐ「換気・空調」計画


アレルギー対策において、換気は素材選びと同じか、それ以上に重要な要素です。どんなに良い建材を使っても、室内にこもった汚れた空気や湿気を排出できなければ、ダニ・カビ・VOCはたまっていきます。結論として、花粉やPM2.5を防ぎながら新鮮な空気を保つには、給気と排気を機械で制御できる換気計画が有効です。


24時間換気システムが義務化されている理由


そもそも日本では、建築基準法により、すべての住宅に1時間あたり0.5回以上の換気ができる24時間換気システムの設置が義務付けられています。これは、シックハウス症候群の被害が社会問題化したことを受けて導入されたルールで、室内の空気を常に少しずつ入れ替え、化学物質や湿気がこもらないようにするためのものです。


つまり、24時間換気は「あれば便利な設備」ではなく、現代の住宅に必須の基本インフラです。アレルギー対策住宅では、この義務化された換気を「最低限こなす」のではなく、どの方式を選び、どう機能させるかまで踏み込んで考えることがポイントになります。


第1種換気システムがアレルギー対策に有効な理由


換気方式は給気と排気をどう行うかによって第1種・第2種・第3種に分かれます。アレルギー対策には、給気と排気の両方を機械で行い、空気の流れを制御しやすい第1種換気システムが有効とされています。給気側に高性能フィルターを組み込めば、外気に含まれる花粉やPM2.5を捕集してから室内に取り込めるためです。


換気方式給気排気特徴アレルギー対策の観点
第1種換気機械機械給排気とも機械で制御。熱交換器と組み合わせやすいフィルターで花粉・PM2.5を防ぎやすく制御性が高い
第2種換気機械自然室内を正圧に保つ。主にクリーンルーム等で使用一般住宅では結露リスクがあり採用例は少ない
第3種換気自然機械排気のみ機械。コストが抑えやすい給気口から花粉等が入りやすく対策には工夫が必要
第1種換気の多くは、熱交換器を備えています。これは換気時に捨てられる室内の熱を回収し、外気を室温に近づけてから取り込む装置で、冷暖房効率を保ちながら換気できるのが利点です。「換気すると冷暖房がもったいない」という悩みを和らげてくれるため、高気密・高断熱住宅と相性が良いといえます。

全館空調という選択肢


家全体の温度・湿度を一括で管理したい場合は、全館空調という選択肢もあります。部屋ごとの温度差(ヒートショックの一因にもなる)を減らし、湿度コントロールやフィルターによる空気清浄を一元化できるのが特徴です。一方で、導入費用やメンテナンスの負担は大きくなるため、予算や暮らし方と相談しながら検討する必要があります。


換気システムや全館空調は導入して終わりではなく、フィルター清掃・交換などの維持管理が前提です。ここを怠ると性能が落ち、かえって汚れた空気を循環させることにもなりかねないため、運用面まで含めて計画しておきましょう。


2025年の法改正がアレルギー対策住宅に与える影響


近年の制度変更は、アレルギー対策住宅にとって追い風になる部分と、注意が必要な部分の両方があります。結論として、住宅の高気密化が標準になるからこそ、換気計画の重要性がこれまで以上に高まっているという点を押さえておくことが大切です。


省エネ基準の適合義務化と高気密化


2025年4月より、新築住宅の省エネ基準適合が義務化され、住宅の高気密・高断熱化が標準的になります。気密性が高い家は、外気の花粉やPM2.5、温度変化の影響を受けにくく、フィルターを通した空気で室内を満たしやすいというメリットがあります。


一方で、高気密の家は「自然に隙間から空気が抜ける」ことが減るため、換気が不十分だと汚れた空気や湿気がこもりやすくなる側面もあります。だからこそ、高気密化と計画換気はワンセットで考える必要があり、適切に計画換気を行えば、外気の花粉や汚染物質をフィルターで防ぎつつ新鮮な空気を保てる、という関係になります。


住宅性能表示制度の見直し


さらに、2025年12月施行予定の住宅性能表示制度の見直しにより、シックハウス症候群の原因となる化学物質濃度の測定方法が改正される予定です。こうした制度は、住まいの健康性能を客観的に比較・確認するための仕組みとして整備が進んでいます。


法規制や支援制度は内容が更新されることがあるため、契約前には最新の情報を、依頼先の業者や公的機関の窓口で必ず確認しましょう。「以前はこうだった」という情報のまま進めると、利用できる制度を取りこぼしたり、基準を読み違えたりするおそれがあります。


この記事をシェアする